ミリ波周波数(通常30-300 GHz)の電磁放射エネルギーは、通信機器、車両衝突回避、セキュリティスクリーニング、医療機器用のレーダーおよび画像システム、分光法用の科学研究ツール、非破壊検査および精密測定用の産業用途、軍事および防衛用途など、社会のいたるところで用いられている。この研究の著者らはこれまで、ウサギの眼と専用の実験装置を用いて、さまざまな周波数を比較し、眼の反応と損傷閾値を調べてきた。この研究は、5G通信の候補である28 GHz準ミリ波帯(波長10.7mm)を調べた。その結果、ミリ波周波数と同様に、28 GHzへの6分間のばく露(400 mW/cm2)による眼の損傷には、角膜上皮損傷、角膜浮腫、混濁が含まれていた。 6分間のばく露で眼損傷の確率が50%であることを示す入射電力密度閾値は、28 GHzで359mW/cm-2であることがわかった。感熱性液晶カプセルを用いて、さまざまなミリ波周波数(40、75、95GHz)と28 GHz準ミリ波の眼ばく露面積を比較したところ、ミリ波では、入射電力密度が同じであっても、周波数が高くなるにつれて眼ばく露面積が減少することがわかった(レンズ効果)。但し、このレンズ効果は、前眼部全体が電波にばく露された28 GHzでは観察されなかった、と著者らは報告している。
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