この系統的レビューおよびメタ分析は、超低周波(ELF)磁界の発がん作用を、動物実験とコメットアッセイ研究を分析して評価した。ELF磁界とがん発症率の関連に関する全ての動物実験について全体的なメタ分析を実施し、コメットアッセイで評価したがん、白血病、リンパ腫、乳がん、脳腫瘍、DNA損傷の発症率に関する個別のメタ分析を実施した。特定した5145報の参考文献のうち、71報の研究を系統的レビューに、22報の研究をメタ分析に包含した。全体的なメタ分析では、ELF磁界ばく露はげっ歯類のがん発症率に有意な影響を及ぼさないことが示された(19報の研究、OR = 1.10、95%信頼区間(CI)0.91-1.32)。しかし、別のメタ分析では、ELF磁界はマウスの白血病発症の確率を高める (4報の研究、OR = 4.45、95% CI 1.90-10.38) が、ラットではそうではないことが示された。系統的レビューでは、ELF磁界が脳細胞などの特定の細胞タイプのDNAを損傷する可能性があることも示唆された。しかし、3報のコメットアッセイ研究のメタ分析では、ELF磁界は神経芽細胞腫細胞のDNA損傷を増加させないことが示された (SMD = -0.08、95% CI -0.18-0.01)。全体として、これらの結果は、ELF磁界ばく露は哺乳類にとって大きなハザードではなく、これらの磁界の発がん作用は白血病に限定される可能性があることを示唆している、と著者らは結論付けている。
このウェブサイトはクッキー(Cookies)を使って、最善のブラウジングエクスペリエンスを提供しています。あなたがこのウェブサイトを継続して使用することで、私たちがクッキーを使用することを許可することになります。