[遠方界の高周波電磁界にばく露した昆虫の比吸収率の数値ドシメトリ] tech./dosim.

Numerical dosimetry of specific absorption rate of insects exposed to far-field radiofrequency electromagnetic fields

掲載誌: Int J Radiat Biol 2025; 101 (3): 327-340

この研究は、2.5-100 GHzの周波数範囲で、テントウムシ、働きバチ、スズメバチ、カマキリなど、幾つかの成虫昆虫について、脳を含む組織比吸収率 (SAR) を推定し、電磁界エネルギー吸収によって生じ得る生物学的影響を予測した。有限差分時間領域 (FDTD) 法を用して数値ドシメトリを実行した。昆虫は、角皮、内部組織、脳組織を含む3組織の異質誘電体としてモデル化した。電磁界波源は単一周波数 (遠方界ばく露) の正弦波平面波としてモデル化した。その結果、昆虫の全身平均組織平均、および1 mg SARを、10種類の入射平面波について、考慮された全ての周波数で決定した。SAR値は、1 mW/cm2の入射電力密度に正規化した。検討対象の昆虫では、内部組織と脳組織における電磁界吸収が最大となり、6、12、25 GHzで観測された。但し、テントウムシの脳組織では最大の電磁界吸収は60 GHzであった。得られた結果から、昆虫における電磁界エネルギー吸収は、周波数、偏波、昆虫の形態に大きく依存することが示された、と著者らは報告している。

ばく露