[脾臓を標的とした超低周波電磁界は脾臓内の免疫細胞の集団を変化させる] med./bio.

Extremely low-frequency electromagnetic fields targeting spleen modifies the populations of immunocytes in the spleen

掲載誌: Bioelectromagnetics 2025; 46 (1): e22532

この研究は、超低周波(ELF)磁界脾臓免疫機能に及ぼす生物学的影響を調べた。脾臓を局所的にターゲットにできるばく露装置を設計し、マウスの脾臓を4時間/日、14日間、ELF磁界(50 Hz、30 mT)に局所的にばく露した。並行して、単離した脾臓T細胞をELF磁界(50 Hz、15 mT)に2時間ばく露した。その結果、ばく露後の脾臓細胞のアポトーシス率が低下した。脾臓細胞では、CD4 + T細胞ナチュラルキラー細胞が蓄積し、B細胞の割合が減少した。イン・ビトロ研究では、ELF磁界がT細胞サブセットの変化を誘発し、CD4 + T細胞の割合が増加し、CD8 + T細胞の割合が減少することが示された。CD4+ T細胞内では、Tヘルパー(Th)17細胞の数が増加し、制御性T細胞(Treg)の数が減少した。脾臓T細胞における核因子(NF)-κB経路の濃縮は、ELF磁界ばく露後に減少することが分かった。これらの研究結果は、ELF磁界脾臓免疫細胞の割合を変えることによって脾臓免疫機能を制御していることを示唆している。具体的には、脾臓T細胞の分化はELF磁界によってTh17細胞へと誘導され、ELF磁界によってTreg細胞への分化が阻害された、と著者らは結論付けている。

ばく露