[「時間変化する電界、磁界および電磁界(100 kHzから300 GHzまで)へのばく露制限についてのICNIRPガイドライン」に関連する知識の隔たり] basics

Gaps in Knowledge Relevant to the "ICNIRP Guidelines for Limiting Exposure to Time-Varying Electric, Magnetic and Electromagnetic Fields (100 kHz TO 300 GHz)"

掲載誌: Health Phys 2025; 128 (2): 190-202

過去30年間、観察研究と実験研究により、高周波RF電磁界へのばく露による健康への影響の可能性が取り上げられ、潜在的な相互作用のメカニズムが調査されてきた。国際非電離放射線防護委員会ICNIRP)の主な目標は、あらゆる形態の非電離放射線NIR)への有害なばく露から人々と環境を保護することであり、電磁スペクトルの特定の部分に関する利用可能な科学的研究に基づいてばく露ガイドラインを策定および普及させることにより、助言とガイダンスを提供している。ICNIRPの 2020年のRFガイドラインの策定中に、利用可能なデータに幾つかのギャップがあることが判明した。この声明では、研究における知識のギャップについて更に研究を促進するため、対処されれば ICNIRPがガイドラインを更に策定し、ばく露制限に関する推奨事項を改訂するのに役立つデータのギャップについて説明している。なお、このプロセスとその結果得られた推奨事項は、この分野の知識をより一般的に広げることに重点を置いた従来の研究課題を複製するものではなく、ガイドライン策定のための最も優先度の高いデータギャップを特定することに厳密に重点を置いたものであることに留意が必要である。この区別の結果、現在のデータギャップ推奨事項には、原理的にはRFの健康に関連する可能性があるが、ばく露とエンドポイントの関係、またはエンドポイントと健康の関係が文献で十分に裏付けられていないために除外された文献の一部のギャップは含まれていない。これらの研究分野の評価により、次のデータギャップが特定された。(1) 高周波電磁界ばく露と熱誘発性疼痛の関係に関する問題。(2) 100 kHzから 300 GHzまでの全身ばく露深部体温上昇の関係の、ばく露期間と複合ばく露の関数としての明確化。(3) さまざまな眼構造に対する悪影響閾値と熱的ドシメトリ。(4) 関連するドシメトリを含む、さまざまなばく露シナリオにおける接触電流の疼痛閾値。(5) 将来の研究を支援するとともに、将来のガイドラインにおけるRFばく露制限の適用を改善するための一連の追加的なドシメトリ研究。

ばく露