この論文の著者らは、ミリ波ばく露(30-300 GHz)と高帯域(現在は24.25-52.6 GHz)での5G NRばく露の潜在的な健康影響の問題について、非技術的なレベルで検討している。ミリ波エネルギーは主に皮膚の最上層で吸収され、これによる既知の危険性は、皮膚や目への熱損傷、熱痛など、組織の過度の加熱に関連している。IEEE規格C95.1-2019および国際非電離放射線防護委員会(ICNIRP)のガイドライン(2020)におけるミリ波への現在のばく露制限は、組織加熱の数値モデル化と限られた数のヒトおよび動物の研究に基づいており、熱的ハザードに関してかなり保守的であると考えられる。ミリ波の生体影響に関する研究は数多く存在し、その多くは広範囲の周波数とばく露レベルにわたる生物学的影響が報告されているが、バイアスのリスクが高く、その他の制限があるため、健康影響に関する文献の評価には大きな不確かさが生じている。保健当局は、現在のばく露制限値を下回る「非熱的」レベルでの5G帯およびミリ波ばく露の危険性を特定していないが、いずれも更なる研究を推奨している。この著者らは、必要な研究分野を幾つか提案し、将来の生体影響研究の質を向上させる必要があることを指摘している。
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