[磁界による神経刺激：誘導電界の解析] tech./dosim.

＜目的＞任意の形状の刺激コイルに電流を流した際に生体組織に生じる誘導電界の分布を解析する方法を開発する。 ＜方法＞均一な生体組織モデルの上に置かれた任意の形状のコイルに電流が流れた際の組織内の誘導電界を磁気ベクトルポテンシャルとラプラス方程式の解であるスカラーポテンシャルの関数から求める。この誘導電界の偏微分値が神経刺激に大きく関係する。例えば、ｘ軸方向に直線上の長い神経の場合には電界をｘで偏微分した値が重要なパラメータになる。 ＜結果及び結論＞正方形、円形、二重正方形、二重円形、四重正方形のコイルについは解析された。コイルは空気－生体組織の界面に対し、平行、垂直、斜交の位置に置かれたものを解析対象としたが、種々の解析結果から本研究で開発された方法は高速計算を可能にすることが分かった。例えば、直径 5cmの円形コイルの場合、コイルを30エレメントに分割するだけで解は 0.01%以下に収れんしている。いま、大変控え目に見積もってコイルを100エレメントに分割し、800点の計算を行うに要する時間は12MHzのパソコンで3分以内 である。