この研究は、ラットの脳と精巣組織に対する高周波(RF)電磁界の影響を、組織病理学、コメットアッセイ、リアルタイム定量PCR技術を用いて評価した。14匹のラットを2つの同数グループに割り付け、1つは対照群、もう1つはばく露群 (n = 7) とした。ばく露群 (2100 MHz、精巣組織SARは10 gあたり 163 mW/kg、脳組織SARは平均で 292 mW/kg) は、5時間/日、14日間ばく露した。組織遺伝子発現レベル、組織病理学、脳組織への DNA損傷について評価した。その結果、ばく露群の脳組織の組織学的検査では、血管の変化と著しい浮腫が認められた (p < 0.05)。ばく露群(テイルDNA 18.26%)では、対照群(テイルDNA 4.06%)よりもRFによる細胞損傷が遥かに多かったことが判明した。ばく露群の精巣組織における精子形成細胞の劣化の兆候も有意に変化した(p < 0.05)。Bax遺伝子とbcl-2遺伝子はmRNAレベルのデータで有意差を示した(p < 0.05)が、p53遺伝子には有意な変化は見られなかった(p > 0.05)。これらの知見は、RFばく露が脳と精巣組織に何らかの組織病理学的および細胞損傷を引き起こす可能性があることを示唆している、と著者らは結論付けている。
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