この研究は、大空間ワイヤレス電力伝送(WPT)システム向けに設計された完全対称平面スパイラル受信コイル(PSコイル)を紹介し、電界ばく露を大幅に低減することを目的とした。このコイルの構造は、従来の単線コイルを置き換え、多数の対称に巻かれたスパイラルワイヤを利用している。この対称性により、分散型で正確なコンデンサ補償が可能となり、寄生容量およびそれに関連する電界ばく露の影響を効果的に軽減することができる。PSコイルは磁界分布を維持しつつ、電界放射を大幅に削減し、国際非電離放射線防護委員会(ICNIRP)のガイドライン(2020年)で定められた制限値内でより大きな電力受信を可能にする。有限要素シミュレーションの結果、有効電流6 AにおいてPSコイルは1 cmの距離で局所比吸収率(SAR)0.72 W/kgを達成し、従来設計と比較して80%の低減を実現し、2 W/kgのガイドラインを十分に下回ることが示された。さらに、iPadと同等のサイズの試作モデルでは、計算されたインダクタンスが測定値と2%以内の一致を示し、自己共振周波数は従来のコイルと比較して38%高いことが確認された。直径3 m、高さ2.4 mの大空間におけるテストでは、PSコイルが54.8%の効率で200 W以上を送信できることが示された。同条件下で従来コイルと提案されたPSコイルを比較した場合、E-field曝露が18.9 dB低減することが確認された、と著者らは報告している。
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