5Gの導入に対する市民の反応を理解するためには、高周波(RF)電磁界ばく露に対する感情的な反応と認知が重要である。2G-4Gに関する先行研究では、ばく露の認知が主に定量的に調査されてきたが、この研究の著者らは質的な探索的アプローチを採用した。2022年12月に、35名の個別インタビューおよび同じ参加者を対象とした6つのフォーカスグループ調査を実施した。参加者は、5Gの導入段階が異なるドイツの複数の地域から募集した。インタラクティブなタスク、特に感情評価タスクとランキングタスクにより、参加者にモバイル通信とそのばく露の認知についての感情を考えるよう促した。このアプローチにより、参加者はRFばく露に関する具体的な信念について話す前に、直感的にモバイル通信/5Gの話題に取り組むことができた。刺激資料として、(1) 携帯電話を操作する人物、(2) 他人の携帯電話に囲まれている人物、(3) 携帯電話基地局(アンテナ)の近くにいる人物の画像を用いた。データは探索的内容分析を用いて解析した。その結果、感情評価タスクでは、参加者は携帯電話よりも基地局に対してより否定的な連想を示した。分析結果から、その評価の理由が非常に多様であり、RFばく露は副次的な役割を果たしているに過ぎないことが示された。また、ランキングタスクでは、ほとんどの参加者(n = 20)がモバイル機器よりも基地局からの方がばく露されていると感じていることが示された。これらの結果は、主に2G-4Gに関する文献と一致しており、5Gに対するばく露の認知が大きく異なるものではないことを示している、と著者らは報告している。
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