この研究は、携帯電話放射がマウスの自然免疫に及ぼす潜在的な影響を調べた。2-3週齢の雄のBALB/Cマウス96匹を無作為に4群(ブランク対照群、対照群、TD-SCDMAばく露群、LTE-Advancedばく露群、各群32匹)に割り付けた[訳注:原文ママの表現]。マウスを携帯電話放射に4-8週間ばく露し、各群からばく露期間が4週、6週、および8週の段階でそれぞれ8匹を取り出し、測定を行った。細胞生物学的手法で好中球の走化性を評価し、形態学的手法で好中球およびマクロファージの貪食作用を検出し、微生物学的手法でマウス血清中のリゾチームの相対活性を検査べた。その結果、短期間のばく露では、4群間で好中球の走化性比率に統計的な差はほとんど見られなかった。しかし、ばく露期間が6週間を超えると、TD-SCDMA群およびLTE-Advanced群では比率が有意に低下した。全期間にわたって走化性指数に関しては、4群間に統計的な差は観察されなかった。好中球およびマクロファージといった自然免疫細胞の貪食作用は、実験全期間にわたり、2つの対照群ではほとんど変化が見られなかったが、2つのばく露群では割合が統計的に低下し、この減少は時間依存性の特徴を示す傾向があった。TD-SCDMA群およびLTE-Advanced群ではリゾチームの活性が有意に低下し、その影響はばく露期間の延長に伴ってさらに増加した。このことから、携帯電話放射が実験マウスの自然免疫を弱める可能性があり、更に、この有害な影響はばく露が続くにつれてより深刻になることが推測されると著者らは結論付けている。
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