国際非電離放射線防護委員会(ICNIRP)のガイドラインでは、全身ばく露に対する基本制限が、全身平均比吸収率(WBASAR)として300 GHzまで規定されている。しかし、10 GHz以上でのWBASARの数値評価は、計算負荷が非常に大きいため、実施が難しい。この研究は、この問題を克服するため、WBASARを解析するための新しいスケーリングされた誘電率および透磁率モデルを導入した。このモデルを、一次元(1-D)および三次元(3-D)の標準モデルを用いて検証した。その後、1-30 GHzの入射平面波および28 GHzでの8*16パッチアレイアンテナが生成する電磁界にばく露された詳細な解剖学的成人モデルに対するWBASARを評価した。この新しいアプローチは、数値シミュレーションの精度を確保しつつ、準ミリ波周波数での基地局アンテナのWBASAR評価を可能にする。スケールファクターの導入により、メモリ使用量が大幅に削減された。1/3のスケールファクターを使用することで、30 GHzまでの全身モデルにおいて、0.5 mmの解像度で同様の精度を達成し、スケールファクターなしでのシミュレーションに比べてメモリ使用量が約1/8に減少した。また、WBASARの結果は、28 GHzにおいて、WBASARが体の投影面積で平均された入射電力密度とよく相関することが確認された、と著者らは報告している。
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