[低周波磁界ばく露による神経スフェロイド内部の電界推定] tech./dosim.

時間変化する低周波・高強度の磁界へのばく露は、人体内に電界を誘導し、神経線維の興奮やシナプスの調節などの刺激作用を生じる。この研究は、低周波磁界ばく露によるこれらの刺激効果をリアルタイムで測定するため、光ファイバーを用いた蛍光記録システムを開発した。このシステムは磁界の影響を受けず、また磁界の分布にも影響を及ぼさない。この研究では、6.25 µmの空間解像度を持つボクセルで構成された数値計算モデルを開発した。この数値モデルを用いて、50 Hz正弦波、300 mT（実効値）の均一磁界ばく露下で、神経スフェロイドと呼ばれる三次元神経組織内に生成される電界の分布を評価した。また、神経スフェロイド内の電界分布に対する光ファイバーの影響も調査した。その結果、磁界は神経スフェロイド内に4 V/m以上の電界を誘導し、これはシナプス調節の理論的閾値を遥かに上回るものであった、と著者らは報告している。