高い静磁界(SMF)の安全性に関する既存の研究はあるものの、妊娠初期の胚発生に対する20.0 Tを超える超高SMFの影響については不明である。この研究は、16.8-22.0 TのSMFがゼブラフィッシュの胚発生に及ぼす影響を評価し、将来の超高磁界の磁気共鳴画像撮影(MRI)応用のための重要な情報を提供することを目的としている。ゼブラフィッシュ胚200匹を、均一な(0 T/m)22.0 T SMF、または磁力方向が反対の空間勾配123.25 T/mを有する16.8 T SMFに2時間ばく露し、その胚発生を調査した。体長、心拍数、自発的尾振り運動、孵化率および生存率、光運動反応、視覚運動反応(VMR)を分析した。その結果、これらの超高SMFは、ゼブラフィッシュ胚の一般的な発育(例えば体長や自発的尾振り運動)に有意な影響を及ぼさなかった。勾配SMFは孵化率を低下させた(p < 0.05)が、均一な22.0 T SMFではそのような影響は認められなかった。更に、ゼブラフィッシュ幼生の活動はこれらの超高SMFによって異なる影響を受けたが(p < 0.05)、幾つかの視覚および神経発達遺伝子の発現は眼球で一般的にダウンレギュレートされた(p < 0.05)。これらの結果は、特に勾配SMFへのばく露が胚発生に悪影響を及ぼす可能性があることを示唆しており、超高磁界MRIの将来の応用に際して注意を喚起すべきである、と著者らは結論付けている。
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