最大の症例対照研究(インターフォン研究)では、携帯電話使用と神経膠腫リスクの関係を調査し、中程度の使用では相対リスクが低下し、最も頻繁に使用する10%のユーザーでは相対リスクが40%増加するJ字型の関係を示した。この研究では、生涯の使用期間に基づくカテゴリーリスクモデルを使用した。インターフォン研究における様々なバイアスを考慮した場合、携帯電話使用が神経膠腫リスクに影響を与えないという仮説が、報告された推定値と整合するかどうかを検討するために、モンテカルロシミュレーションを実施した。自己申告による携帯電話使用における誤差の4つのシナリオと選択バイアスを考慮した。シミュレーションに用いた入力パラメータは、報告精度に関するインターフォン検証研究および非回答者アンケートから得られたものである。系統誤差および無作為誤差を同時にモデル化したシナリオでは、主要なインターフォン研究から観察された関係と完全に一致するJ字型の関係が生成され、最も頻繁に使用するユーザーで偽の相対リスク増加(オッズ比 = 1.91)が見られた。このJ字型を生成する主な要因は、検証研究で観察された通り、対照群に比べて症例群の報告誤差分散が高いことであった。選択バイアスもリスクの低減に寄与していた。依然として不確かさは残るが、今回のシミュレーション研究から得られた証拠は、頻繁な携帯電話使用が神経膠腫リスクの増加と因果関係がある可能性が低いことを示唆している、と著者らは結論付けている。
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