国際がん研究機関(IARC)は2024年3月、2025~2029年の期間のモノグラフ・プログラムにおける発がん性評価の優先度を決定するため、22か国から集められた28人の科学者による諮問グループ会合を開催した。この会合の結論を取りまとめた論文が、2024年4月12日付で学術誌Lancet Oncology(電子版)に掲載された。電磁界については、非電離放射線(高周波(RF)電磁界)が「再評価の優先度が高い」と推奨された。
この諮問グループは、公募された200を超える作用因子の候補を検討した。これには、2019年に招集された同様の諮問グループによって優先度が推奨されたものも含まれている。諮問グループは、発がん性に関連する幅広いトピックスにわたる科学者で構成されている。
諮問グループは優先度の推奨を作成するため、全ての作用因子の候補の証拠の流れ(ヒトのばく露、ヒトにおけるがん、実験動物におけるがん、発がんメカニズム)および因子の種類(例:感染性病原体、生物毒素、複雑なばく露、職業、粒子および繊維、金属、医薬品、物理的因子、殺虫剤、ならびにその他の各種の化学物質)について審議した。優先度は、IARCモノグラフ前文に従い、(a)現代においてヒトのばく露が存在する証拠(広範か、より狭い範囲か)、(b)各々の証拠の流れから入手可能な発がん性についての証拠が新たな評価、または再評価をどの程度支持し得るか、に基づいて割り当てられました。以前に評価された因子については、諮問グループは現行の分類の根拠、および、新たに入手可能となった証拠の潜在的インパクトを検討した。
諮問グループは、広範な因子について、評価(または再評価)の優先度が「高い」「中程度」「優先度なし」と推奨した。
非電離放射線(RF電磁界)については、「新たなヒトのがん、および動物のがんについての証拠から(発がん性の)分類の再評価が是認される」として、「優先度が高い(次の5年間の前半での実施を助言)」とされている。
超低周波(ELF)磁界については、「既存の証拠は(現行の)分類の変更を支持しているようには見えない」として、「当該期間における再評価を推奨しない」とされている。
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