腎尿路先天異常(CAKUT)は小児慢性腎疾患(CKD)の主要な原因であり、その病因の多くは多因子的であると考えられている。この研究は、CAKUTのリスク要因と妊娠中の携帯電話関連の電磁界ばく露の影響を調べた。2歳未満の症例57人および健康な対照57人を対象に、その母親にアンケートを実施した。親の人口統計学的特徴、妊娠前(慢性疾患、体格指数、葉酸サプリメントの使用)および妊娠中の変数(妊娠中の疾患、妊娠中の体重増加)、ならびに妊娠中のばく露について比較した。携帯電話関連のばく露を評価するため、全ての参加者に毎日の通話時間、使用していないときの携帯電話の近接度、携帯電話のモデルについて尋ねた。携帯電話の比吸収率(SAR)およびばく露の指標としての有効SAR値(SAR×通話時間)を記録した。その結果、妊娠中の体格指数(BMI)に基づく過剰な体重増加は、CAKUTのリスク増加と関連していた(p=0.012)。妊娠前の葉酸使用はCAKUTに対して保護的であった(p = 0.028)。CAKUT群の母親の通話時間は対照群よりも有意に長かった(p = 0.001)。高い有効SAR値とCAKUTリスクの増加との関連が観察された(p = 0.03)。しかし、非使用時の携帯電話の母親の体への近接度はリスク要因とはならなかった。妊娠中の携帯電話通話および高い電磁界ばく露は、子孫におけるCAKUTのリスクを増加させる、と著者らは結論付けている。
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