高調波電磁界の人体影響についての実験では手足に流れる電流が計測される。40MHz垂直偏向平面波による足の部分の誘導電流は13mA/(V/m)、RF密封作業者の足の電流は330mA、100kV/mの核爆発を想定した電磁パルス(EMP)による足の電流は500A、などのデータが報告されている。本論文の主要結果は以下の通りである。(1)金属プローブによって誘電損失のある物体を流れる電流を測定すると、その電流値が変化する。ここで開発された非金属製のプローブは信頼度が高い。(2)共振を抑えるためにコイルは抵抗線で製作され、全抵抗が100kΩまでのものを作った。抵抗が30-40kΩで200MHzバンド幅で使用可能である。コイルからの出力はダイオードで整流する(図1)。(3)容量結合を制限するために静電遮蔽を施す必要がある。遮蔽をはずすと、TEMの場合に反王する(4)内径11cm、外径15cm、厚さ5cmのアルミ円筒に半径13cmの抵抗線200ターンのコイルを挿入した(図2)。(5)このプローブの伝達インピーダンスは1.9mΩ/MHzとなった。理論値は607mΩ/MHzとなり、これを33.2kΩと100Ωで分圧した値と比較すると、3.7%の差がでる。(6)人体モデルを金属板上に直立させ、10mの垂直単極アンテナを1m離して設置し、地上27cmの位置の足の部分の局部的な比吸収率(SAR)を測定した。開発したプローブによる測定値と温度計によるSARの間には±10%以内の違いがあることが分かった。
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