この研究は、5.9 GHzで動作する車両間通信(V2V)および車両インフラ通信(V2I)技術によって生じる道路利用者のばく露レベルの変動を、現実的な都市シナリオで調べた。ばく露レベルは、子どもから成人までの3つの異なる人体モデルにおける全身比吸収率(wbSAR)[W/kg]の観点で評価した。V2VおよびV2Iによって生じる電磁界ばく露レベルをレイトレーシングで計算し、送信アンテナの数が増加する都市ばく露シナリオにおけるwbSARを評価した。その結果、全身SARは一般的に非常に低く、10^(-4) W/kgのオーダーであった。最悪ケースのばく露条件で、送信車両が複数ある場合に最大wbSAR 4.9×10^(-4) W/kgが得られ、これは送信車両から10 m以内の距離にある成人モデルで見られた。人体モデルの高さがばく露レベルに大きな影響を与えることがわかった。具体的には、子ども(最も背の低い人体モデル)は一般的に成人よりもばく露が少なかった。送信アンテナの数、アンテナからの道路利用者の距離、および人体モデルの種類(成人 vs. 子供)を変えることによって得られた全てのwbSAR値は、100 kHzから300 GHzの範囲における人体ばく露に対する国際非電離放射線防護委員会(ICNIRP)のガイドラインおよびIEEE規格で規定された制限値0.08 W/kgを大幅に下回っていた、と著者らは報告している。
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