[甲状腺がんについての改変可能なリスク因子：生活様式と居住環境] review

近年、甲状腺の良性および悪性腫瘍の発生率が世界的に急速に増加し、内分泌系内で最も一般的な腫瘍の一つと位置付けられている。甲状腺腫瘍の病因はまだ明確ではないが、生活様式や居住環境がその発生および発展に関連しているとする研究が増えている。この研究は、近年の甲状腺がんの増加と生活様式、居住環境との相関を明らかにすることを試みた。生活様式の頻度と居住環境の範囲を具体的に述べ、甲状腺がんを引き起こすさまざまな変更可能なリスク要因の主要な機構経路を要約することも試みた。特定の遺伝子変異を持つ個人は、携帯電話の長期間かつ頻繁な使用により甲状腺がんのリスクが高まる。更に、高圧の職場で働く人、夜間勤務をする人、火山の近くや農薬が関連する環境に住む人は、甲状腺がんの発症リスクが高まる。原子力発電所の近くに住むことが甲状腺がんに与える影響は未だ結論が出ていない。甲状腺がんの変更可能なリスク要因についての認識を高めることは、甲状腺がんの正確な予防と管理に役立つ。これは、甲状腺がんの高リスクな人々に適した生活様式と生活環境に関する将来の研究の科学的基盤を提供するものである、と著者らは結論付けている。