[28 GHzミリ波ばく露によって生じる温感閾値とその信頼性] med./bio.

The thermal sensation threshold and its reliability induced by the exposure to 28 GHz millimeter-wave

掲載誌: Front Neurosci 2024; 18: 1331416

この研究は、ミリ波ばく露時の温感閾値を調べ、その信頼性を評価した。健康成人20人に対し、28 GHzミリ波を左中指の指先に5つのアンテナ入力電力レベル(0.2、1.1、1.6、2.1、3.4 W、入射電力密度:27-399 mW/cm2)でばく露した。この測定セッションを同日中に2回反復し、閾値の信頼性を評価した。相対信頼性の代用指標として一致係数(ICC)とBland-Altman分析を用いた。各ばく露レベルでの2回のセッションで感覚を認識した参加者の数も、感覚率としてカウントした。その結果、平均温感閾値は、126-399 mW/cm2の条件で0.9°C-1.0°Cの範囲内にあり、27 mW/cm2の条件では0.2°Cであった。27 mW/cm2および126 mW/cm2の閾値のICCは、それぞれ「貧弱(poor)」、「程々(fair)」と解釈され、より高いばく露レベルでは「適度(moderate)」から「実質的(substantial)」であった。191 mW/cm2の条件では比例バイアスがあったが、固定バイアスはなかった。全ての参加者が、両方のセッションで399 mW/cm2で熱を感じ、知覚率はばく露レベルが低いほど徐々に減少した。重要なことに、温度上昇が低いにもかかわらず、27 mW/cm2では参加者の2/3が両方または片方のセッションで熱を感じたと回答した。これらの結果から、温感閾値は1.0°C前後であり、ばく露レベルに関係なく一貫していること、そしてその信頼性はより高いばく露レベルで向上することが示唆された。更に、温感の知覚は、人間の知覚の性質から来る固有の曖昧さがある可能性がある、と著者らは結論付けている。

ばく露