[民生用通信システムの放射下での地下鉄乗客の電磁ばく露分析] tech./dosim.

Electromagnetic exposure analysis of the subway passenger under the civil communication system radiation

掲載誌: PLoS One 2024; 19 (3): e0300049

この研究は、地下鉄の民生用通信システム下での乗客の電磁界ばく露の安全性を評価するため、COMSOL Multiphysicsソフトウェアを用いて地下鉄車両の高周波RF)電磁環境を設定した。これには、1-1/4インチの漏えい同軸ケーブル(LCX1)と1-5/8インチの漏えい同軸ケーブル(LCX2)が含まれ、これらをばく露源として設計し、12人の乗客を異なる位置に配置している。電磁環境モデルは現場測定を通じて検証した。LCX1およびLCX2がそれぞれ作動する際の12人の乗客のばく露量分布を比較・分析した。シミュレーションの結果、LCX2と比較して、乗客が吸収する量は2100 MHzで9.19%、2600 MHzで22.50%減少した。LCX1が3400 MHzで作動時、乗客の比吸収率SAR)は最大値1.91×10^(-4) W/kgに達し、温度は0.214 K上昇した。国際非電離放射線防護委員会ICNIRP)の公衆ばく露制限値と比較することで、民生用通信システムの下での乗客の電磁界ばく露の安全性を示した。更に、提案されたLCX1は5G信号のカバレッジを追加するだけでなく、乗客が吸収するSARを低減し、これにより、ばく露源の放射性能を調整することで公衆の電磁界ばく露量を減少させることができる、と著者らは結論付けている。

ばく露