[携帯電話特有の放射は口腔細胞の細胞質分裂をかく乱し、細胞死を生じるが、急性染色体損傷は生じない:制御されたヒト介入研究の結果] med./bio.

Mobile phone specific radiation disturbs cytokinesis and causes cell death but not acute chromosomal damage in buccal cells: Results of a controlled human intervention study

掲載誌: Environ Res 2024; 251 Pt 1: 118634

この研究は、染色体損傷と急性毒性効果を制御した条件下で初のヒト介入試験を実施した。参加者は、無作為に割り当てられた頭部の片側にヘッドセットを介して、低量(SAR 0.1 W/kg、n = 20)および高量(SAR 1.6 W/kg、n = 21)のUMTS信号に2時間/日、5日連続でばく露された。ばく露前およびばく露後3週間に、両頬から上皮細胞を採取し、小核MN)および有糸分裂障害と急性細胞毒性効果を反映するその他の核異常を評価した。その結果、MNおよび遺伝子増幅によって生じる核芽の誘導の証拠は認められなかったが、細胞分裂の障害の結果として形成される二核細胞や、細胞死を示すカリオリティック細胞の有意な増加が認められた。これらの影響は、ばく露の少ない側の細胞では認められなかった。これらの知見は、この実験条件下では、携帯電話固有の高周波電磁界が口腔粘膜細胞の急性染色体損傷を生じないことが示された。但し、細胞周期の乱れと細胞毒性の明確な証拠が認められた。これらの影響は、ヒトにおける長期的な有害な健康影響の誘発因果関係を持つ可能性がある、と著者らは結論付けている。

ばく露