この研究は、妊娠中の女性の携帯電話使用時間および携帯電話の比吸収率(SAR)と、新生児のアウトカムを比較した。2020年9月から2021年2月にコンヤ市立病院で出産した女性を後ろ向き研究に包含した。妊娠週数、出生時体重、出生時身長、頭囲、性別、5分間のAPGARスコア【訳注:新生児の出生1分後と5分後に、皮膚色(Appearance)、心拍数(Pulse)、 反応性(Grimace)、活動性(Activity)、呼吸(Respiration)の5つの項目を評価したもの】、出産後の新生児蘇生の必要性、出産の種類、妊婦が使用した電話の型式、1日あたりの平均使用時間を記録した。使用した携帯電話のSAR値と、在胎不当過小(SGA)児の出産との関連を決定するため、受信機動作特性曲線の分析を実施した。その結果、合計1495人の妊婦を包含した。高SARの携帯電話を使用した妊婦では、SGA児を出産する割合が有意に高かった(p=0.001)。SARレベルのカットオフ値は1.23 W/kgで、感度は69.3%、特異性は73.0%(曲線下面積:0.685、95%信頼区間:0.643-0.726)。電話使用時間とSGA児の出生率との相関は認められなかった。対称性SGA群では非対称性SGA群と比較して、SARおよび使用時間がどちらも高かったが、有意差はなかった(p>0.05)。また、早産女性では正期産女性と比較して、保有していた電話のSARがより高く、より多くの時間を通話に費やしていたが、やはり有意差はなかった(p>0.05)。妊娠中に使用した携帯電話のSARが高いと、SGA児を出産する傾向が認められた、と著者らは報告している。
このウェブサイトはクッキー(Cookies)を使って、最善のブラウジングエクスペリエンスを提供しています。あなたがこのウェブサイトを継続して使用することで、私たちがクッキーを使用することを許可することになります。