研究のタイプ: レビュー/サーベイ論文

[高周波電磁界への個人ばく露:国際、国および地域のガイドラインの比較分析] review

Personal exposure to radiofrequency electromagnetic fields: A comparative analysis of international, national, and regional guidelines

掲載誌: Environ Res 2024; 246: 118124

この論文の著者らは、高周波RF電磁界への人体ばく露に対する世界中の既存の制限値について、以下のように概観している。国、更には地方政府が参考レベルを策定しており、これらは国際非電離放射線防護委員会ICNIRP)、電気電子学会(IEEE)の国際電磁安全性委員会、米国では連邦通信委員会(FCC)が提示するガイドラインに基づくものもあれば、いわゆるプレコーショナリ原則に基づくものもある。カナダ、イタリア、ポーランド、スイス、中国、ロシア、フランス、ベルギーの各地域(ブリュッセル首都圏、フランデレン、ワロン)といった国や地域で採用されているばく露制限値は国際規格よりも大幅に低い。制限値を一連の測定値と比較したところ、測定値は一般的に国際規格よりも非常に小さいが、上述の低い制限値よりは若干高いこともある。この著者らは、この観察と、電磁界に対する人々の感受性はどこでも同じ(全身)という合理的な仮定に基づき、ICNIRPが適切と考えるならば全ての国々で適用可能な、一般公衆に対する世界的な参考制限値を確立するというアイデアを提唱している。我々が実際にばく露されるレベルを証明する測定データを創出し、これを用いて、現行の制限値が過剰であるかどうかを評価するための論点を、ガイドラインを策定する組織、特にICNIRPに提示するための研究は継続しなければならない、と著者らは主張している。

ばく露