この研究は、変電所からの磁界ばく露と小児白血病リスクとの関連を評価した。イタリア北部のモデナおよびレッジョ・エミリアの2つの県の小児人口集団をベースに症例対照研究を実施した。1998-2019年に診断された症例182人、ならびに性別、出生年、居住県でマッチングした726人の対照を包含した。ばく露評価のため、地理情報システム内で最も近い変電所からの子どもの居住地までの距離を計算し、潜在的な交絡因子を調整しながら条件付きロジスティック回帰を用いてオッズ比(OR)および95%信頼区間(CI)を計算した。2つのバッファ(半径15 mおよび25 m)を用いてばく露を評価し、2つの症例群(全てのサブタイプの白血病、および急性リンパ芽球性白血病(ALL))を評価した。その結果、変電所から15 m以内に居住する子どもは、15 m以上に居住する子どもと比較して、全てのサブタイプの白血病またはALLのリスクとの有意な関連は認められなかった。25 mのより緩いばく露バッファを用いた結果も同様であった。5歳以上の子どもでは、15 mバッファを用いた場合の調整済みORは、白血病で1.3 (95%CI = 0.1-12.8)、ALLで1.3(95% CI = 0.1-12.4)、25 mバッファを用いた場合は、白血病で1.7(95%CI = 0.4-7.0)、ALLで0.6(95%CI = 0.1-4.8)であった。変電所への住居の近接度と小児白血病との間に全体的な関連は認められなかったが、5歳以上の子どもで小児白血病のリスクが上昇するという幾つかの証拠が認められた。但し、ばく露群の子どもの数が少なかったことから、この精度は限定的であった、と著者らは結論付けている。
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