電気自動車(EV)で用いられるワイヤレス電力伝送(WPT)システムは、通常の家電製品で使用されるWPTよりも大きなエアギャップ(約300 mm)と高い伝送電力(kW)を有するが、これは磁界を弱め、伝送効率を低下させ、電磁界ばく露に関する潜在的な健康影響に対する懸念を生じる可能性がある。そのため、国際非電離放射線保護委員会(ICNIRP)のばく露ガイドライン等に基づいた製品安全基準の遵守評価が重要である。この研究は、EVで用いられるコアレスおよびコアベースのWPTシステムを有限要素法を用いて分析し、また、人体保護の評価にスカラーポテンシャル有限差分法を用いた。計算結果に基づき、外部磁界を低減し、人体の電磁界ばく露を軽減するため、異なる種類の中間挿入ブロックを用いた2つのコア構造を分析した。その結果、コア構造を持つWPTシステムは、コアレスシステムと比較して、300 mmのエアギャップで伝送効率を34%向上させた。更に、これにより磁界漏えいが91.6%、誘導電界が98.3%減少し、解剖学的人体モデルにおける誘導電界も減少した。これらの結果は、複合コアを持つWPTシステムが伝送効率を向上させると同時に、電磁界ばく露から人体を保護できることを示している、と著者らは結論付けている。
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