この研究の著者らは、欧州臨床試験データベースから提供された2018の評価可能な連続症例のコホートから、電磁過敏症(EHS)および多種化学物質過敏症(MCS)の完全な臨床症状の発現とその関連を、感受性に関連する環境神経症候群の枠組みで記述している。MCSに関してはアトランタ合意会議の適格クライテリア、EHSに関してはWHOの適格クライテリアを適用した。評価可能な症例は、EHS1428例、MCS85例、EHS/MCS505例であり、EHSの25%はMCSと関連していた。女性は男性よりもEHSおよび/またはMCSに対して遥かに感受性が高いように見えたが、EHS群とMCS群の間に統計的有意差は認められなかった(p = 0.07)。但し、EHS/MCS群では女性の比率が80.4%と、より有意であった(p < 0.0001)。EHS患者では健康な対照群と比較して、情動行動を除く全ての症状が有意に高頻度であった(p < 0.0001)。EHS/MCS両者の障害の診断を確立する、あるいは両者を区別するための病的な症状は認められなかった。3つの患者群が同一の症状を共有していて、幾つかの症状はEHS/MCSでEHSよりも有意に高頻度であった(p < 0.0001)。これらのデータから、EHSとMCSは共通の疾病原因メカニズムを介して生成される新しい脳障害であることが示唆される、と著者らは結論付けている。
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