この研究は、深部脳刺激装置(DBS)を植え込んだ成人患者の頭部に対する、第5世代移動通信(5G)携帯電話アンテナの電磁放射が及ぼす影響を調べた。5G/4Gパッチアンテナ、実際のヒト頭部、およびDBSモデルを備えた携帯電話モデルをCOMSOL Multiphysicsを用いて構築し、異なる距離にある携帯電話からの頭部組織の各層の比吸収率(SAR)、ならびに30分間照射された頭部およびDBSの温度変化を計算した。シミュレーション結果から、周波数が3500 MHzの場合、携帯電話から頭部への電磁放射は一般的に、2400 MHzよりも大きいことが示されました。3500 MHzでは、SAR値は携帯電話と頭部との距離に反比例し、最大値(1.132 W/kg)は携帯電話と頭部の距離が1 cmで、DBSを植え込んだ頭部の皮膚層に生じた。最大の温度上昇(0.2148°C)は2400 MHzで、距離が1 cmの場合に脳の層に生じた。全てのシミュレーションから得られたSARと温度上昇は国際非電離放射線防護委員会(ICNIRP)の制限値(2 W/kgおよび1°C)以下であった、DBSを植え込んだ患者には携帯電話を使用する際に距離を保つことが依然として推奨される、と著者らは結論付けている。
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