このスイス全土での横断研究は、6か所の軍新兵採用センター近くの男性病学研究室6か所で、携帯電話ばく露と精子パラメータとの関連を、2005-2018年の兵役期間に採用された同国の一般公衆男性合計2886人(18-22歳)を対象に調べた。被験者には精子サンプルの提供、ならびに健康および生活様式(携帯電話の使用時間、携帯電話の非使用時の保持位置を含む)についてのアンケートへの回答を求めた。ロジスティック回帰および多重線形回帰モデルをそれぞれ用いて、調整後のオッズ比およびβ係数を決定した。携帯電話ばく露と精子パラメータ(容積、精子濃度、総精子数、運動性、形態等)との関連を評価した。合計2759人が携帯電話使用に関するアンケートに回答し、2764人が非使用時の保持位置を詳述した。調整後の線形モデルでは、より高頻度の携帯電話使用(1日あたり20回以上)が、より低い精子濃度(調整後のβ= -0.152、95%信頼区間(CI)= -0.316 - 0.011)および、より少ない総精子数(調整後のβ = -0.271、95% CI = -0.515 - -0.027)と関連していた。調整後のロジスティック回帰モデルでは、これらは世界保健機関(WHO)の男性妊孕性についての参照値よりもそれぞれ30%および21%低いと解釈される。この負の関連は、最初の調査期間(2005-2007年)でより強調され、時間経過とともに徐々に低下する(2008-2011年、および2012-2018年)ことが示された。携帯電話使用と精子の運動性または形態との一貫した関連は認められなかった。携帯電話をズボンのポケットに入れておくことと、精子パラメータの低下との関連は認められなかった。この大規模人口集団ベースの研究では、より高頻度の携帯電話使用と、より低い精子濃度および総精子数との関連が示唆された。観察された関連の時間的減少傾向は、新技術とそれに対応する携帯電話の出力電力の低減と整合する。観察された関連が因果関係かどうかを確認するには、ばく露評価を改善した前向き研究が必要である、と著者らは結論付けている。
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