低周波(< 100 kHz)ばく露から人体を防護する場合、誘導電界強度が評価用の物理量として用いられる。但し、立方体ボクセルで離散化された曲線境界を近似するため、計算による評価には階段誤差が発生する。国際的なガイドラインでは、許容誘導電界から計算される外部磁界強度の制限を設定する際に、追加の低減係数3を考慮している。この研究の著者らは、低周波ドシメトリのための人体モデリングにおいてテンソルコンダクタンスを考慮して階段誤差を低減する新しい方法として、ボクセル人体モデルの対象組織における電場境界条件を満たし、階段誤差を低減するために、充填率と組織界面の方向に基づいて開発されたテンソルベースのコンダクタンスモデルを提案している。このモデルを、異なる導電率コントラストを持つ二層の非同心円筒モデルと球モデルを使用して検証した。誘導電界強度と解析式および有限要素法シミュレーションを用いて得られた解との比較により、従来のスカラーポテンシャル有限差分法と比較して、幅広い導電率比において階段誤差が低減されることが示された。このアプローチを使用した単純な解剖学的頭部モデルの誘導電界は、経頭蓋磁気刺激をシミュレートする均一磁界ばく露およびコイルからのばく露に対する有限要素法とよく一致した。提案されたテンソルコンダクタンスモデルは、ボクセル人体の内部ターゲット組織における階段誤差を低減できることが実証された。この知見は、低周波での電気または磁気刺激における電磁コンプライアンス評価およびドシメトリに用いることができる、と著者らは結論付けている。
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