高周波(RF)電磁界は細胞毒性があることが報告されており、ヒトのさまざまな病気のリスク因子であると考えられている。近年、ミトコンドリアカルシウムユニポーター(MCU)阻害剤を用いてミトコンドリアカルシウムの取り込みを阻害することが、神経変性、虚血/再灌流傷害、がんなどのミトコンドリアカルシウム過剰疾患の潜在的な臨床治療法であることが示唆されているが、このアプローチがRFばく露の健康リスクを高めるかどうか は不明である。この研究は、MCU の阻害が細胞におけるRFばく露の遺伝毒性を増加させるかどうかを調べた。その結果、1800 MHz RFへの短時間(15 分)のばく露が重大なDNA損傷を誘発し、MCUの特異的阻害剤であるルテニウム 360(Ru360)で処理したマウス胎児線維芽細胞(MEF)では細胞アポトーシスが観察されたが、細胞周期、細胞増殖、または細胞生存率に対する有意な影響は観察されなかった。この結果は、MCUを阻害するとRFばく露の遺伝毒性が増加し、これらの処理下でのRFばく露の健康への影響の可能性について更に注意を払う必要があることを示唆している、と著者らは結論付けている。
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