この研究は、パンタグラフが設置されている鉄道車両内の電界環境の安全性について検討した。その結果、乗客のいない車両内の最大電界強度Emax は1.173 × 10^6 mV/m であった。次に、乗客のいない車両内の電界分布に従って乗客の位置を設定し、乗客がいる車両のEmaxは3.195 × 10^6 mV/m であることが示された。異なる位置の乗客の最大誘導電界強度は靴の裏に生じ、最大値は 3.028 × 10^5 mV/mで、最大誘導電流密度は足首で生じ、最大値は 3.476 × 10^(−5) A/m2であった。乗客の頭部の最大誘導電界強度は脳脊髄液領域に現れ、その最大値は202.817 mV/mであり、ドア付近の乗客の頭部の最大誘導電界強度は車両中央の乗客の頭部の最大誘導電界強度よりも大きいと結論付けられた。乗客の全ての組織における誘導電界強度の最大値は、国際非電離放射線防護委員会(ICNIRP)の公衆ばく露に対する基本制限よりも大幅に低かった。この研究により、パンタグラフの作動状態は車両内の電界環境にほとんど影響を及ぼさず、作動周波数の電界環境においては乗客の健康被害を生じることはないことが示された、と著者らは結論付けている。
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