[金属に接する皮膚に対する電磁エネルギーの熱作用：数値解析] tech./dosim.

電磁界と金属との間の相互作用は非常に強いことがよく知られている。金属と接触しているヒトの組織が交流電磁界にばく露されると、組織の温度が上昇する。これは、誘導によって得られたエネルギーを金属が吸収することに起因する。但し、様々な電磁界ばく露条件によって生じる電磁誘導特性と吸収される組織エネルギーは十分に理解されていない。この研究は、高強度の電磁界にばく露される間の高導電性金属板との接触による皮膚の時間的および空間的温度上昇を評価するための計算モデルを開発し、プレートの材質、プレートの厚さ、コイルの距離、およびばく露時間が皮膚の温度上昇に及ぼす影響を計算した。電磁界ばく露時の皮膚層の電磁分布と温度分布を、電磁波伝播と非定常生体熱伝達のモデルを用いて得た。使用したモデリング手法は、プレートの厚さ、プレートの材質、コイルの距離、およびばく露時間が皮膚の温度変化に大きな影響を与えることを示している。最も重要なパラメータは金属の種類であることが判明し、鉄が外部電磁誘導を受けたときの皮膚温度の上昇に最も大きな影響を及ぼす。これらの結果から、誘導コイルのばく露制限値をより正確に推定することができる、と著者らは報告している。