電磁放射と低周波音は共に広範囲に影響を及ぼす環境要因であり、労働者は複雑なばく露環境内で必然的に両者にばく露される。この研究は、認知機能に対する電磁放射と低周波音の影響および相互作用を調べた。若年男子大学生60人を無作為に割り付け、シールドチェンバー内で実験を実施した。被験者の精神作業負荷(MWL)レベルは、NASAタスク負荷指数(TLX)主観スケール、n-backタスクパラダイム、および機能的近赤外分光法(fNIRS)画像撮影技術を用いて測定および評価した。その結果、3バック課題では、NASA-TLX主観スケールにより、統計的に有意な低周波音強度の影響が明らかになり、被験者のMWLレベルが向上した。行動性能から、電磁放射(430.1357 MHz、10.75 W/m2)と低周波音(0-200 Hz、72.9 dB)には相乗的な相互作用効果があり、正しい応答時間が複合ばく露により統計的に有意に延長されたことが示された。fNIRS技術により、電磁放射強度と低周波音強度との間の相乗相互作用が明らかになり、左右の背外側前頭前野(DLPFC)の活性化レベルに統計的に有意な影響が認められた。DLPFCの平均β値は有意に上昇し、DLPFC 内のオキシヘモグロビンの相対濃度も有意に増加した。被験者を電磁放射と超低周波音に同時に30分間ばく露した場合、それらの間に統計的に有意な相互作用効果があることが示された。この複雑な環境にばく露されると、被験者のMWLレベルが統計的に有意に増加し、更に認知機能に変化が生じる可能性がある、と著者らは結論付けている。
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