この研究は、磁界ばく露と小児白血病のリスクとの潜在的な関連を調べるため、2022年12月15日までにScopus、EMBASE、Cochrane、Web of Science、Medlineを含む電子データベースの包括的な検索を実施し、関連研究を特定した。最初のメタ分析では、小児白血病と0.2-0.4 μTの範囲の磁界強度との間に統計的に有意な逆相関があることが明らかになり、この範囲に関連するリスクの低下が示唆された。 配線構成(ワイヤコード)に焦点を当てた2つ目のメタ分析では、居住環境での磁界ばく露と小児白血病との間の潜在的な関連が観察された。プールされた相対リスク(RR)推定値は、24時間の磁界測定値へのばく露について1.52(95%信頼区間(CI)= 1.05-2.04、P = 0.021)および1.58 (95% CI = 1.15-2.23、P = 0.006)で、因果関係の可能性が示唆された。3つ目のメタ分析では、0.1-0.2 μT、0.2-0.3 μT、0.3-0.4 μT、および 0.2 μT を超える 0.4 μTのばく露群のオッズ比(OR)は、それぞれ1.09(95% CI = 0.82-1.43 μT)、 1.14(95% CI = 0.68-1.92 μT)、および1.45(95% CI = 0.87-2.37 μT)であった【訳注:原文に忠実に和訳したが、ORの95% CIは無次元数であり、磁界強度(磁束密度)の単位であるμTがついているのは間違いである】。3つのメタ分析の結果とは対照的に、0.2 μTへのばく露と若年性白血病のリスクとの間に統計的に有意な関連の証拠は認められなかった。更なる結果では、磁界発生源から100 m以内に住んでいた子どもの2群と、より近くに住んでいた子どもの2群との間に、識別可能な差は認められなかった(OR = 1.33、95% CI = 0.98-1.73 μT)。0.1-2.38 μTの範囲の磁界強度を含む3つのメタ分析の総合的な結果は、磁界強度と小児白血病の発生との間に統計的に有意な関連性があることを強調している。但し、ある特定の分析では、0.1 μTへのばく露と小児白血病の発症リスクの上昇との間に明らかな関係は存在しないと結論付けられている、と著者らは報告している。
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