実際の環境では人体の位置や方向は固定されていないため、移動体通信基地局やWiFiアクセスポイント、放送局などの遠方界波源からの電磁界の入射方向は任意である。高周波ばく露による健康への影響を分析するには、特定の波源からのばく露とともに、日常生活における不特定多数の波源から生じる環境ばく露を定量化する必要がある。この研究は、50-5800 MHzの周波数範囲における環境電磁界ばく露に対するヒトの脳の時間平均比吸収率(SAR)を数値的に評価した。空間的に均一に入射する電磁波への全身ばく露を考慮した。幾つかの入射方向と偏波の結果を比較することで、最適な計算条件を導出した。この著者らは、2021年末にソウルで測定した結果に基づいて、3Gから5G基地局へのダウンリンクばく露に対する子どもおよび成人の脳のSARと比エネルギー吸収量(SA)を報告している。 3G から 5G までの全てのモバイルネットワークにおけるダウンリンクばく露と、4Gネットワークに接続された携帯電話を用いた10分間の音声通話(アップリンク)ばく露に対する毎日の脳SAの比較の結果、ダウンリンクからのSAがアップリンクよりも大幅に大きいことが示された、と著者らは報告している。
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