第5世代移動通信システム(5G)では、スモールセル基地局アンテナからの放射がビームを形成する場合がある。従来型の無線システムや携帯電話からの局所ばく露とは異なり、複雑な表面を含むさまざまな体の部位(鼻や耳介など)が強いビームにばく露される。この論文の著者らは、ハイブリッド球状近傍界変換と有限差分時間領域法を用いて、遠方界領域で28 GHzのパッチアレイからの放射ビームにばく露されたヒト頭部モデルでの電力吸収、およびその結果として生じる温度上昇を評価した。従来の研究とは異なり、球状近傍界測定は入力として用いることができるため、非リアクティブ近傍界測定(計算)とドシメトリ分析を組み合わせることができる。この著者らは、スモールセル基地局からの標準的なビームばく露に対応する、幅が0.25-2 mの範囲で入射角が異なる、局所ばく露シナリオよりは電気的に大型のアンテナ体の距離を考慮した。アンテナアレイにばく露された単一の頭部モデルに対し、パラメータの変化により、112のケースを創出し、多様なばく露シナリオを提示した。選択されたシナリオの計算に対し、ピークの空間平均吸収電力密度および皮膚温度上昇を評価した。その結果、鼻や耳介周辺では、干渉縞効果に起因する、より高い温度上昇が認められた。この効果は頭部表面でのビーム幅が大きい場合により顕著であり、平面波近似を用いた平面身体モデルで以前に得られたものよりも僅かに高い加熱係数につながる、と著者らは結論付けている。
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