この研究は、東京周辺の広域で車載の高周波電磁波ばく露レベルの測定を実施した。自動車を用いた電界測定の前に、電波暗室で車体の影響を評価した。 測定は2021年5月から2022年2月まで東京・日本橋を中心とした半径100km以内で実施し(測定距離は約13,800km)、測定結果を参照エリアメッシュ(1km2)内で平均化した。その結果、FM/TV周波数帯域の電界強度は、携帯電話基地局の電界強度よりも低いことがわかった。また、第5世代移動通信(5G)周波数帯域のみ、全ての携帯電話システムの電界強度よりも約20-30 dB低いこともわかった。但し、これは5Gのデータ通信量に依存する可能性があるので注意を要する。全ての帯域の電界強度は、他県よりも東京で高かった。更に、測定した電界の再現性を調査するため、反復測定を実施したところ、同一ルートにおける標準偏差は3dB未満で、過去のスポット測定の時間平均結果と同様の車両による電界強度の傾向が確認された。最後に、電界強度と人口密度の関係を調べたところ、携帯電話基地局からの電界強度は人口密度と正の関係があることがわかった、と著者らは報告している。
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