現在の技術の進歩により、アンテナはデバイスに容易に統合できるように小型化される傾向がある。現在、人体近傍の小型ハイテク機器で最も用いられているアンテナは平面アンテナである。この論文の著者らは、周波数2.4 GHzで動作する八木宇田平面アンテナを高周波解析し、初期寸法を維持しつつ帯域幅と利得を増加させることを試みた。アンテナの動作を最適化するため、異なる誘電体、異なるダイレクタ数、および異なるダイレクタ寸法を用いて、新しい導体要素を配置したが、平面デバイス上での実装では同寸法とした。その結果、最適化された八木宇田平面アンテナの構造では、帯域幅が10%増加し、利得が30%増加し、最大値で4.84 dBiに達した。このようなアンテナを搭載したデバイスは日常的に用いられていることから、アンテナが人体に与える影響力を分析した。比吸収率(SAR)、電界および磁界、放射電力密度を、適用される規格に従って測定・表現し、報告した。考慮した周波数では、頭部および胴体のSARは6分以上のばく露に対して4 W/kg以下である必要があるが、アンテナの近傍ではこの値を超えていた。6-30分間のばく露に対する最大電界の制限値は0.349 V/m、最大磁界の制限値は28.441 V/mであるが、アンテナの極近傍ではこれらの値も超えていた。これらの結果から、このようなアンテナは人体から離れた位置に配置されるか、体とアンテナの間に何らかの保護を配置する必要があることが示唆された。モデル化されたアンテナの放射電力密度の観点から、アンテナからの距離が0.5 m以上であれば安全とみなし得る、と著者らは結論付けている。
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