この研究は、6 GHz未満の第5世代移動通信(5G)の比吸収率(SAR)を、金属フレームの眼鏡、金属インプラントやピアスを装着したヒト頭部において分析した。金属物体を含む現実的なヒト頭部モデルを数値計算し、非電離ドシメトリの観点から分析した。0.9 GHz、1.8 GHz、2.1 GHz、2.45 GHz、3.5 GHz、および5 GHzの周波数で、有限積分技術(FIT)に基づく商用ソフトウェアを用してシミュレーションを実施した。その結果、ピアスを装着した頭部モデルでは、2.45 GHzで組織10 g平均の最大SARは14*10^(-5) W/kgであった。全ての金属物体を装着した頭部モデルでは、1.8 GHzで最大の電界強度0.52 V/mが観測された。この結果は、眼鏡や歯科インプラント、ピアスなどの金属物体は、外部の生体組織のSARを増加させる一方で、深層組織に対しては一種の遮へい物の役割を果たす可能性があることを示している。但し、得られた値は国際機関の制限値を下回っている、と著者らは報告している。
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