この研究は、ドブネズミ(Rattus norvegicus)の甲状腺機能、活性酸素種(ROS)、およびモノカルボン酸トランスポーター8(MCT8)濃度に対する携帯電話の電磁放射(EMR)の影響を調べた。動物40匹を対照群(EMRばく露なし)、EMR1(120分/日ばく露)、EMR2(150分/日ばく露)、およびEMR3(180分/日ばく露)の各群に割り付けた。血清中の甲状腺刺激ホルモン(TSH)、チロキシン(T4)、およびマロンジアルデヒド(MDA)のレベル、ならびに脳内MCT8のレベルを、酵素結合免疫吸着法(ELISA)で測定した。一元配置分散分析およびダンカン検定でデータを分析した。その結果、対照群と比較して、全てのEMRばく露群で血清中のTSHおよびT4レベルが有意に低下していることが示され(EMR1およびEMR2:P < 0.01、EMR3:P < 0.001)、EMRばく露による甲状腺機能低下が示唆された。介入後にはMDAの増加とMCT8の減少も認められたが、両者の濃度の変化は特に150分および180分のばく露後に有意であった。TSH、T4、およびMCT8レベルの有意な減少は、EMRばく露による甲状腺機能障害を示している、と著者らは結論付けている。
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