[ドブネズミの脳の甲状腺およびホルモンに対する携帯電話の電磁放射の影響:甲状腺機能、活性酸素種、およびモノカルボン酸トランスポーター8の分析] med./bio.

Effects of mobile phone electromagnetic radiation on thyroid glands and hormones in Rattus norvegicus brain: An analysis of thyroid function, reactive oxygen species, and monocarboxylate transporter 8

掲載誌: J Adv Pharm Technol Res 2023; 14 (2): 63-68

この研究は、ドブネズミ(Rattus norvegicus)の甲状腺機能、活性酸素種ROS)、およびモノカルボン酸トランスポーター8(MCT8)濃度に対する携帯電話電磁放射(EMR)の影響を調べた。動物40匹を対照群(EMRばく露なし)、EMR1(120分/日ばく露)、EMR2(150分/日ばく露)、およびEMR3(180分/日ばく露)の各群に割り付けた。血清中の甲状腺刺激ホルモンTSH)、チロキシン(T4)、およびマロンジアルデヒドMDA)のレベル、ならびに脳内MCT8のレベルを、酵素結合免疫吸着法(ELISA)で測定した。一元配置分散分析およびダンカン検定でデータを分析した。その結果、対照群と比較して、全てのEMRばく露群で血清中のTSHおよびT4レベルが有意に低下していることが示され(EMR1およびEMR2:P < 0.01、EMR3:P < 0.001)、EMRばく露による甲状腺機能低下が示唆された。介入後にはMDAの増加とMCT8の減少も認められたが、両者の濃度の変化は特に150分および180分のばく露後に有意であった。TSH、T4、およびMCT8レベルの有意な減少は、EMRばく露による甲状腺機能障害を示している、と著者らは結論付けている。

ばく露