[モーメント法を用いた5Gミリ波携帯電話の非侵襲的な吸収電力密度評価] tech./dosim.

この論文の著者らは、アンテナと人体のカップリングを考慮することにより、非侵襲的な吸収電力密度（APD）評価のための新しい手法を紹介している。空間二項グリーン関数（DGF）に基づく電界積分方程式を、アンテナを囲む半球の表面でサンプリングした電界を用いて等価電流を再構築するモーメント法で逆に解いた。次に、APDを空気ファントム界面下の等価電流によって評価した。再構成誤差は、ハンドヘルドデバイスの端と隅に、周波数15、30、および60 GHzの2種類のアンテナアレイの配置を用いて取得した。その結果、60 GHzでは、最大空間平均電力密度の誤差は、エッジタイプアンテナで8.75%、コーナータイプアンテナで11.1%を超えないことが示された。角度分解能、電界測定の不確かさ、必要なファントムのサイズなど、実際の試験シナリオに合わせて測定要件を調査した。提案した技術は、6 GHz以上で動作するハンドヘルドデバイスへのばく露について、アンテナと人体のカップリングを含むAPDを評価するための新しい方法論への道を開くことが示された、と著者らは報告している。