高周波(RF)電磁界へのばく露を制限するための国際非電離放射線防護委員会(ICNIRP)の2020年のガイドラインは、1998年のガイドラインのRF部分を置き換えるもので、熱作用を防ぐ新たな制限を設定したほか、低周波電磁界へのばく露を制限するための2010年のガイドラインの100 kHz-10 MHzの部分について、神経刺激作用を防ぐ制限を設定した。このガイドラインは、制限値を表現するために用いる物理量から始まり、特定の制限値と新しい曝露測定基準に至るまで、RFばく露に対する防護体系に多くの変更をもたらした。ICNIRPは、新しいタイプのばく露制限値を設定するため、強いRF電磁界への短期間の局所ばく露のケースを初めて考慮した。これら全ての変更により、より詳細で複雑なガイドラインが作成されたが、その規定は実際に適用することがより困難になった。この論文の著者らは、ヒトのRFばく露に対するICNIRPの新たな制限値の実際の使用に関連する幾つかの課題を紹介している。
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