研究のタイプ: レビュー/サーベイ論文

[筋萎縮性側索硬化症のリスク因子:地球規模のメタサマリー] review

Risk factors of amyotrophic lateral sclerosis: a global meta-summary

掲載誌: Front Neurosci 2023; 17: 1177431

この研究は、筋萎縮性側索硬化症(ALS)と、その遺伝的および非遺伝的危険因子との関係を調べた。2022年12 月まで、PubMed、Embase、およびCochraneデータベースから関連文献を検索を実行した。その結果、230報の適格な研究のうち、67報には22個の非遺伝的因子が関与し、163報には遺伝的因子が関与していた。生活様式、環境ばく露および職業的ばく露、既存疾患/併存疾患、医療ばく露などを含む、非遺伝的要因の4つの側面を分析した。重金属(オッズ比OR)= 1.79)、殺虫剤(OR = 1.46)、溶剤OR = 1.37)、過去の頭部外傷(OR = 1.37)、兵役(OR = 1.29)、脳卒中OR = 1.26)、磁界ばく露OR = 1.22)および高血圧OR = 1.04)が重要なリスク因子であった。他方、抗糖尿病薬の使用(OR = 0.52)、高い体格指数(BMI)(OR = 0.60、正常および低体重に対する肥満および体重過多)、都市部での生活(OR = 0.70)、糖尿病OR = 0.83)、腎臓病(OR = 0.84)は、ALSのリスクを低下させた。加えて、8つの一般的なALS関連遺伝子を調べたところ、これらの変異頻度は、全てのALS患者において、高い順にSOD1(2.2%)、C9orf72(2.1%)、ATXN2(1.7%)、FUS(1.7%)、TARDBP(0.8%)、VCP(0.6%)、UBQLN2(0.6%)、SQSTM1(0.6%)であった。この結果は、リスクへのばく露に対する効果的な介入と、時宜を得た生活様式の修正が、ALSの発症を予防する可能性があることを示唆している、と著者らは結論付けている。

ばく露