フランスでは、さまざまな環境要因と小児がんとの関連についてのGEOCAP疫学研究が現在行われている。研究対象の作用因子の一つは、超低周波(ELF)磁界へのばく露に関連する高圧架空送電線(63-400 kV)への近接度である。この研究には、フランス本土全域を対象とし、2002-2010年に募集された白血病症例4174人、および対照45000人が含まれる。そこでのばく露がバックグラウンドの参照レベルである0.1 μTを超える可能性がある、送電線までの距離が十分に近い被験者1124人について、居住環境ばく露を計算した。居住環境ばく露は、被験者の居住地に近い、影響を及ぼすスパン全てをモデル化することで計算した。最終的に、1124人のうち371人の被験者のばく露計算値が0.1 μTを超え、123人(研究対象の人口の0.25%)が0.4 μTを超えていた。ばく露計算値が0.1 μTを超えるこれら371人を、送電線が通る居住地域で実施されたELF磁界測定の既存のデータベースに照合し、206人についての測定データが見つかり、そのうち156人のデータを比較できた。計算条件に合わせて測定値を外挿したところ、124人(80%)の被験者については、計算値と調整した測定値との差が30%未満で、過少評価または過大評価の明確な傾向は認められなかった、と著者らは報告している。
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