この研究は、受精3時間後(hpf)のゼブラフィッシュ胚(シナプシンIIa(syn2a)遺伝子を導入したものを含む)を、1時間/日、1日または5日間、一連の強度(それぞれ100、200、400、800 μT)の50 Hz磁界にばく露した。その結果は、磁界ばく露は孵化率、死亡率、奇形率などの基本的な発育パラメータには影響しなかったが、200 μT磁界はゼブラフィッシュの幼生において自発運動の低活性を有意に誘発することが示された。組織学的検査では、核および細胞質の凝縮、細胞間空隙の増加など、脳の形態学的な異常が観察された。更に、200 μT磁界ばく露は、syn2aの転写と発現を抑制し、活性酸素種(ROS)のレベルを上昇させた。syn2aの過剰発現は、ゼブラフィッシュの磁界誘発性の自発運動の低活性を有効に改善することが示された。N-アセチル-L-システインでの前処理は、磁界の影響で弱まったsyn2aタンパク質発現を回復するだけでなく、磁界誘発性の自発運動の低活性を無効にした。但し、syn2aの過剰発現は、磁界によって増加したROSには影響しなかった。これらの結果から、50 Hz磁界ばく曝露がROS介在性のsyn2a発現を非線形的に阻害し、ゼブラフィッシュの幼生の自発運動を抑制することが示唆される、と著者らは結論付けている。
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