[ホモ・サピエンス‐宇宙飛行向けに設計されていない生物種:地磁気を超えた宇宙旅行の際の、潜在的リスクを含む、地球低軌道上およびそれ以遠での健康リスク] basics

Homo sapiens - A Species Not Designed for Space Flight: Health Risks in Low Earth Orbit and Beyond, Including Potential Risks When Traveling beyond the Geomagnetic Field of Earth

掲載誌: Life 2023; 13 (3): 757

このレビュー論文は、新宇宙探査ミッションに参加する宇宙飛行士の健康と機能に対する、低重力および地磁気の喪失の影響について論じている。ホモ・サピエンスとその先祖は、1 G[重力加速度]の重力や地磁気等の地球の境界条件で進化してきた。過去約60年間にわたる宇宙飛行と地球低軌道(LEO)での生活により、宇宙飛行士がそのような新しい環境からさまざまな程度の影響を受けていることが明らかになった。更に、宇宙飛行士の反応パターンは非常に不均一であることが指摘されており、これは、宇宙飛行士が地球に留まっていればそのような変動は沈黙しているか、あるいはその不均一性が加齢等への反応で知らず知らずのうちに病気の発症に寄与しているかのどちらかであることを示している。計画されている深宇宙探査ミッションにより、人類は地磁気の影響を超えて移動する際、放射線による更なるリスクにさらされることになることに加えて、宇宙飛行士やそのマイクロバイオームに対する地磁気の喪失に関連する他の潜在的なリスクにもさらされることになる。モデルシステムを用いた実験研究により、低重力状態はさまざまな生物学的および生理学的システムに影響を与える可能性があり、地磁気の喪失は本質的に、宇宙飛行士の電気的なシステム(即ち、心血管系や中枢神経系)に予期せぬ影響を与える可能性があることが明らかになってきた。宇宙飛行士は LEO に対する反応が多様であることが示されているため、個別の対策を必要とする可能性がある一方、長期ミッションで効果的な対策を開発できない場合、深宇宙ミッションに適さない人もいるかもしれない。このレビューでは、影響を受ける複数の生理学系および神経系、ならびに新たな変数が、宇宙飛行士の健康と機能にどのような影響を及ぼし得るかについて検討している。

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