アルツハイマー病の病態生理学は、一般的な神経変性疾患として、神経系におけるアミロイドベータ(Aβ)の異常な凝集に直接関連していると考えられている。従って、多くの分野の研究者は、Aβの凝集に影響を与える因子を積極的に探している。多くの研究で、化学的誘導に加えて、電磁放射もAβ凝集に影響を与える可能性があることが実証されている。テラヘルツ波は非電離放射線の新たな形態であり、生体系の二次結合ネットワークに影響を与え、生体高分子の立体構造を変化させることで生化学反応の過程に影響を与える可能性がある。この研究は、イン・ビトロでモデル化したAβ42凝集系を、蛍光分光光度法を用いて細胞シミュレーションと透過型電子顕微鏡法を補足して調べ、様々な凝集段階で3.1 THz放射にどのように反応するかを確認した。 その結果、核形成凝集段階では、3.1 THz放射がAβ42モノマーの凝集を促進し、この促進効果は凝集の程度が悪化するにつれて徐々に減少することが示された。オリゴマーが凝集して元の繊維になる段階までに、3.1 THz放射が抑制効果を示した。このことから、テラヘルツ放射はAβ42の二次構造の安定性に影響を及ぼし、その結果として、凝集プロセス中にAβ42分子がどのように認識されるかに影響を及ぼし、一見異常な生化学反応を引き起こす、と著者らは結論付けている。
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