[物理的および化学的リスク因子への職業ばく露：女性および男性における生殖の病態生理学的影響の系統的レビュー] review

この論文は、男女の生殖系に対する職業上の物理的および化学的リスク因子の病態生理学的影響についての研究をレビューした。 この系統的レビューでは、Google Scholar、PubMed、Scopus、Web of Science等のデータベースを用いた。「系統的レビューおよびメタ分析の推奨報告項目（PRISMA 2020）」に従い、2000～2021年に出版された研究を包含した。レビューした57報の論文のうち、34報は実地研究、23報は臨床研究に関連していた。43報は化学物質、6報は物理的因子、8報は物理化学的因子による、ヒトの生殖系への病態生理学的影響を扱った。物理的リスク因子（騒音、熱、高周波放射）および化学的リスク因子（カルバメート系殺虫剤、有機リン系殺虫剤、ベンゼン、トルエン、キシレン、ホルムアルデヒド、NO2、CS2、マンガン、鉛、ニッケル、n-ヘキサン等）には、ヒトの生殖系に対する病態生理学的影響が認められた。職場におけるこれらのリスク因子の存在はヒトの生殖系に損傷を生じる。これらの負の病態生理学的影響の比率は、作業環境において適切な管理的、技術的、工学的対策を講じることで低減可能である、と著者らは結論付けている。